自営業者録
去年に引き続き今年2回目の断食を先日終えた。 去年と比べあまり体調や心の変化を感じることもなく、何か物足りない気持ちで終了した断食だったが、その後とんでもない事件が起こった。
今回の断食スケジュールは準備期間4日、本断食一週間、さらに回復食期間を一週間とって普通の食事に戻すというもの。 詳しくはこちら → 2019年「断食体験」今年もやります令和元年断食
断食中はお腹の中が空っぽなので当然便の回数はいつもより減るのだけど、断食が終わって普通の食事に戻しても便が出る様子がなかった。 断食の後だから便が溜まったり、体が元に戻るまでに時間がかかったりするのだろうと気にしないようにしていた。
4日目に少し便意を感じたのでトイレへ。 しかし、うんちが出ない。 入口までは来ているのだけど、いくら踏ん張っても出てこない。 今まで便秘になった記憶はほぼない。どちらかというと下痢体質で、こんな事は生まれて初めてだ。 そもそも、これは便秘なのか? 便意はあるし入口までは来ている。 ただ、入口で固まってしまい、さらに後から来た便と合体して膨らんで蓋をしてしまっている。
指でおしりの周りを触ってみると入口手前でパンパンになっているのがわかる。 どうすれば? とりあえず一旦ひっこめて様子を見ることに。
明日になれば食べた食事がさらに上から押すことでなんとか出てくるんじゃないかと楽観的に考えその日は眠ることにした。 翌日、食事後あまり便意は無かったがトイレで踏ん張ることに。 ヤバい。やっぱり出ない。
気持ちの焦りと苦しさの中、ネットで対処方法を必死で探し始めた。
腸の途中に便がある場合、下剤や浣腸などで水分を含め出すことが出来るようだが、今回のケースのように入口まで来てしまっている場合は下剤や浣腸では手遅れで効果がないらしい。
入口手前の直腸で詰まってしまった場合は力んで押し出すか、摘便(肛門から指を入れ掻き出す)しか手は無いそう。 しかも、このまま放っておくとどんどん便の水分が吸収され、さらに便が固くなるらしい。
情報を調べるほど不安になり、さらに苦しくなってきた。 この間にも何度もトイレに入ったり出たりを繰り返している。
救急車を呼ぼう
どんなにがんばっても自力でなんとかなる様子がない。 病院で摘便(肛門から指を入れ掻き出す)しか手は無さそうだ。 もう苦しすぎて恥ずかしいとかそんな事を言っているレベルは超えてきている。 病院まで自分で行ける力もない。 よし、救急車を呼ぼうと覚悟したその時、どうせ肛門に指がはいるなら自分でまずは試してみようと思い立った。 救急車が来るのを待つのも辛かったし。 自分で指を突っ込んで早く楽になりたい。 そう思い家にあった100均のビニール手袋を用意して指を突っ込んだ。
しかし便が渋滞して入らない。 とても指が入るような隙間の余裕はない。 自分でやるからどうしても手加減してしまうのもある。 もっと細い棒のようなものはないか? そうだ麺棒でほじくってみよう。
そして、おしりを抑えながら麺棒を取りに行きお尻の穴に突っ込んだ。 イケる。 少しずつではあるが粘土のような粘着質の便を何度も何度も掻き出す。
もう何度もいきみ過ぎてお尻は痔になって痛い。 ここまでに気力も使い果たしている。 一回のトイレで長時間掻き出すパワーはない。 その後、4回くらい分割してトイレで格闘を繰り返し壁を壊していく。
だんだんコツがわかってきた(笑) だいたいどのへんに便がこびりついて固くなっているのか次第に分かってくる。 少しずつ軽くなってきているのもあるのか余裕も出てくる。 真ん中から突き刺してぐりぐりと円を描く。 結構奥まで入るものだ。 何度も何度も繰り返す。
そして。 最後の掻き出しでやっと栓になっていた便が取り除かれた。 その瞬間、行列になって待機していた5日分の便が怒濤のように排出される。
もう、トイレが詰まるんじゃないかと思う量だった。 詰まるのが恐ろしく途中で流したくらいだ。
今までの苦痛と不安が取り除かれ、爽快感と感謝の念が押し寄せる。
こんな経験は生まれて初めてだった。 ネットでも自分で麺棒でほじくるなどという情報はなかったので心配ではあったがなんとかなった。
便秘をあなどってはいけない。
便秘初心者のJGが偉そうに言うのもなんだけど、本当に今回は怖ろしい思いをした。 便が詰まると最悪死ぬなんてニュース記事もあり心配だったけど、麺棒があれば自分で対処できるということが分かったのでここに記録しておく。
とにかく時間はかかるがイケる。 踏ん張って入口までうんちをもってきた所を麺棒でほじくる。 便で広がった穴の真ん中あたりを突き刺してぐりぐりと円を描き掻き出す。 最初は大丈夫か不安だったけど、すぐに要領を得るものだ。
少しずつ繰り返す度にどのへんに便が偏っているのかも分かってくるのでそこを狙い攻め込む。 便は固まっているというよりも、粘土のように粘着質で大きな団子のようになって入口で停滞している。 その便の蓋がとれると残りの便は勝手に出て来る。
アドバイス出来ることと言えば、自力で踏ん張って出そうにない時はすぐに麺棒で入口を壊してやる。 時間が経つとその分蓋も固く量も多くなっていく。 なにより辛いし気力もなくなる。
もし、今苦しみながらこの情報に辿りつき読んでいるなら、今すぐにでもトライしてほしい。 必ず道は開ける。
便が出た後
さらにネットで情報を調べてみた。 宿便は断食中に出る場合もあれば、断食後に遅れて出る場合もあるようだ。 断食後の好転反応(めんげん反応)で一時的に下痢や便秘になる場合もあるらしい。 今回はそれらが重なってこのような事態になったのかもしれない。
最中は苦しんだが、振り返ってみると体が悪くなって症状が出たという感じではなく、今まで体の中にあったあらゆる悪いヤツが荷物をまとめて出て行ったようなそんな感じがする。 今、心身共にすこぶる調子が良い。
今回苦しみの中で色々な事を考える時間があった。
普段は何も問題がなく健康で暮らせていることに改めて気づけた。 断食で食べる事の喜びを知り、そしてその後の便秘で出すことの喜びを知る。
どちらも今まで当たり前に行っていたこと。 当たり前すぎて考えたこともなかった。 今回の出来事でその当たり前が当たり前でないことを知り、そして自分はすごく恵まれている事を知った。
去年に引き続き何かさらなる効果を得たいと思い、始めた今回の断食。 もうすでに自分は色々なものを沢山得ているんだという事に気付かされた。
今回のこの事件はその事を教えてくれる為におこったのかもしれない。
何かに向かって進む事はすごく良い事。 そして、それと同じくらい今あるものを味わはなければなって強く思った。
今を大切に生きる。今を楽しみ喜ぶ。今を目いっぱい味わう。 今回の断食の最後の最後に教えてもらえました。
今日を味わい楽しみながら、またこれからも進んで行きたいです。